今回は林業への転職に向かない人はどんな人か書いていきたいと思います。
ちょっと厳しいタイトルになってしまいましたが、林業界で働く私としては林業に関心を持ってもらって転職を本気で意識している人は心から応援したいと思っています。
ですが、中にはちょっと待って!その考えのまま進むと後悔してしまうかも!という人もいます。
実際に新しく入った人がすぐ辞めてしまう場面を見たりしてきた経験から、その転職は本当に林業でいいの?という考え方を紹介します。転職してから思ってたんと違う!という人が1人でも減れば嬉しいです。それでは行きましょう!
林業は決して楽な仕事ではありません。木を一本切ったら一服休憩して、山菜やきのこを採集しながらほのぼのきこりライフ…なんてことは一切ありません(これはさすがに極端ですが笑)
林業の現場はなかなかシビアです。なぜなら経費と売上の差が少ないため、なるべくコストを抑えて効率的に良い材木を伐り出して売上を上げつつ、短い期間で現場を完了させられるかという勝負を常にしているからです。
作業は主に数名の班で林業機械を使って行われることが多く、作業全体の中の1パートを担ってそれしかやらせてもらえない、なんてこともあります。これも生産性を上げるための工夫の1つなので良いか悪いかを述べる気はありません。ですがやる気を持って入ってきたからにはいろいろなことをやらせてもらいたいですよね。そこは事業体の方針や班長の方針次第です。
少し脱線しましたが、このように生産性を上げるために他にも様々な工夫が現場で行われているため、のんびりした気持ちで行くと面食らってしまう可能性が高いです。そして悠長な動きをしていると班の他の人をいらだたせてしまうかもしれません。受け入れてもらう事がだいぶ難しくなってしまいますので、入った班のペースに合わせて仕事を頑張るという心構えが必要です。
会社に所属している以上、働きによるお給料は会社から支払われます。
しかし
己の技術で仕事をする作業員が「職場に来て与えられた仕事を最低限やっておけばとりあえず安泰だ」というような「サラリーマン的思考」をしていることは非常に危険です。
形態としては会社に雇われて給料をもらうというサラリーマンではあるのですが、考え方として「自分の力でいい仕事をして、その対価として金を貰う、自分で稼ぐ」という意識が必要です。
そうでなければ技術は一向に上がらないので一人前になることはできません。そうなると給料は上がっていきません。それに加え、一緒に働く人に対して迷惑をかけてしまうので一緒に働いてくれる人がいなくなり自然と居場所がなくなってしまう事になりかねません。
職人の世界は技術の世界です。自分の仕事にしっかり向き合って信頼を積み上げていきましょう。
よく林業について言われるのが
「周りの人とコミュニケーションをあまり取らなくても済むので対人関係が楽」
というものですが、私からすれば全くそんなことはありません。
同じ班の人とはチームワークで仕事を進めていかなければなりませんし、現場の状況や進め方も共有しておかなければなりません。作業中に距離を取らなければならない分ミーティングや休憩中の雑談は必須とも言えます。
趣味や考え方の違いなんかは必ずあるので無理に合わせて会話し続けなければならないという訳ではありません。しかし、その日の顔色や声のトーンから体調を感じ取ったり、最近の出来事で何か良かった事悪かった事があったか等、相手の変化への気遣いを心掛けたコミュニケーションは必要です。
メンタルによってパフォーマンスや注意力は変わってきます。何か辛い出来事や心配事を抱えて仕事をしている人は危ないのでそれに気づいて事故を未然に防ぐことができるのも日頃のコミュニケーションがあればこそです。
そもそも教わる立場の場合は積極的に質問したり話しかけないと大切な事を教えてもらえなかったりもしますからね笑
林業では様々な事に注意を払いながら作業を進めていかなければなりません。それは林業という仕事が命に関わるほど危険な仕事だからです。そしてあまり言われませんが怪我をしないようにするのと同じくらい「怪我をさせない」ということも重要です。
そんなこと分かってると思う方も多いと思いますが、これは本当に経験しないと分かりません。
木を一本伐るにしても、どっちに倒そうか、どっちに傾いているか、周りに人はいないか、倒したい方向に人がいないか、自分の逃げる場所はあるか、足場はしっかりあるかetc…沢山注意する点があり、それは一度の確認ではなく、木を伐って倒し切るまでずっと変化する状況の中で気を配らなければなりません。
10秒前まで誰もいなかった所に人が入ってきていた、なんてこともあるのです。
私は「目の前の仕事に集中するな」と教わった事があります。
木々の擦れる音や鳥の鳴き声を聞きながら楽な気持ちでやる事が大切なんだと。そうしないと自分の周りの変化に気づけないからです。
一緒に働く人にも家族がいます。自分がその生活を壊してしまうかもしれないと思うと少し意識が変わるかもしれません。
目の前に集中してしまいがちだなぁと思う人結構いるんじゃないかなぁと思います。偉そうな事言って私も結構そうなんです笑
こういう気質の人が絶対だめ、というわけではなくて、注意した方がいいよというのを頭の片隅に置いておいてもらえるといいなぁと思います。
林業転職に向いてない人4選を書いてきました。
2.給料は会社から貰うものと思っている人
3.他人と接しなくていいと思ってる人
4.目の前のことだけに集中してしまいがちな人
総合すると、のんびりと1人で黙々とやりたい仕事だけをしていたい!って人には林業はあまりおすすめできないなぁと思ってしまいます。(4番については向いてないというよりは意識して注意したほうがいい点なのかなぁと思います。)
逆に言うと、厳しいということを分かった上で、それでも面白そう!やるからには一生懸命がんばりたい!と思う人にはいいと思います。
少し厳しい事を書いてきたかもしれませんが、本当になめたら死にますし体力的にも楽ではない仕事なので、転職してから思ってたんと違う!ってならないように誰かの参考になれば幸いです。あとこれまで書いてきたことは林業に限らず転職や就職に共通することだと思います。
大切なのは思いやりと主体性!!
それでは。
林業に限らず転職に興味のある方はよろしければこちらの書籍をどうぞ
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