こんにちは。Souです。
投資を積極的にしましょうと言われて久しいですが、みなさんは投資していますでしょうか。私自身無知だったものでいろいろ調べたり人から聞いたりしてほんの3年前くらいから積立NISAで投資信託を始めたりしている程度のものです笑
長期的に見てすぐに売却しないと決めているので日々のチャートの変化はあまり気にしていません。他人事のような感覚で見る値動きは変動があっておもしろいです(本格的に売る頃にはこんな事言ってられないでしょうが笑)。
投資についての用語等も少しずつ勉強してきまして、例えば「ファンド」=(投資家から集めたお金をまとめ、ひとつの資金として運用のプロが株式や債券に投資・運用し、運用成果はそれぞれの投資家の投資額によって分配される仕組み)等ですね!
そういう情報も脳に引っかかるようになってきたからでしょうか。「森林ファンド」っていう単語が最近ちょこちょこニュースになっているようですね。
森林ファンドって事は資金を集めて森林に投資するってこと?でも日本の森林て価値が低いでおなじみだよな??どういうことだろう??
ということでちょっと森林ファンドについて調べて勉強してみましたので紹介したいと思います。それでは行きましょう!
森林ファンドの概要をざっくり説明すると、
②集めた資金で森林を買い集め、森林管理のノウハウのある管理会社によって適切な森林経営を行う。
③成長した木を収穫し、原木丸太として販売したり、加工して販売したり、その他需要者に対して得た収益を投資家に還元する。
というものでした。
なるほどなるほど、木を育てて売って、儲けちゃおうと・・・。それって昔から日本人やってたやつで今は木が売れなくて適切に管理すると赤字になるからって誰もやらなくなったやつでは?日本でそれは厳しいんじゃ無いですか!?
と多少林学をかじってきた私としては思いましたよ。調べる前からよぎってた不安見事当たっちゃったよと。でもそれはさすがに早とちりでした。時代が変わり、世界も日本も変わってきたということを感じました。
ここで森林ファンドができてきた背景にも軽く触れておきたいと思います。
2015年、パリで開かれた国連気候変動枠組条約締約国会議(通称COP)という、温室効果ガス削減や地球温暖化対策について話し合われる国際会議において、長期目標としてこんなことが合意されました。
①世界の平均気温上昇を産業革命以前に比べて2℃より十分低く抑え、1.5℃に押さえる努力をしましょう。
②そのためには世界の温室効果ガス排出量のピークをできるだけはやく迎え、21世紀後半には温室効果ガスの排出量と森林などによる吸収量のバランスがとれるようにしましょう。
これを踏まえ、日本政府でも「2050年までにカーボンニュートラル(CO2の排出量と吸収量をそろえて実質排出量ゼロ!という考え方)を達成するぞ!」となったわけです。地球温暖化による気候変動や環境変化は人類にとっても辛いですからね。できることなら良い環境にしていきたいですよね。
ただ、そう言われてはいやりますと温室効果ガスの排出を抑えられる企業ばかりではないですよね。製造業なんかは電気や火をガンガン使っていかないといけなかったりしますもんね。
そこで生まれた考え方が「カーボン・オフセット」と「カーボンクレジット」です。
カーボン・オフセット(=埋め合わせる、相殺する)というだけあり、温室効果ガスの排出を抑えるという前提はあるが、どうしても排出せざるを得ない者は他の排出削減活動を行っている者に対して、その活動に出資することで埋め合わせとしようね、という考え方です。
そして温室効果ガスの排出削減に資する活動に対して、どれほどの削減・吸収量なのか算定し認定されたものがカーボンクレジットです。そのため、カーボンクレジットを生み出す者と購入する者の間で生産物とはまた違うクレジットによる経済活動が行われるようになるということですね。
林業はがっつりクレジットを生み出す側なので、適切な森林管理により大きなクレジットを創出できれば、木材などの物質的な売買の他にクレジットの売買で利益を増やすことができるということです。これは赤字の日本林業でも利益がだせるかも、時代変わったなぁ~~と思いました(笑)
とはいえ「林業」を主軸に置くということはやはりリスクもそれなりにあるということは感じました。何点か挙げると
①森林は長期的
山に苗を植えてから利用できるようになるには数十年の期間が必要になります。その間の災害リスク、虫獣害リスク、土地の問題で結果的にあまり良い森にならなかった等、投資家的に怖い部分はあります。株なら持ちっぱなしで良いなんてことも言われますが森林の場合はほったらかしても良くなるということは無く、結果は決まってしまうのでそのときが損切りなのか、利益確定なのか、終わらせるタイミングがある程度決まっているというのもリスクかなと感じます。
②木材価格の変動リスク
木材価格の変動の激しさは歴史をみても、コロナ禍のウッドショックをみても不安定だなと言わざるを得ません。特に日本の木材は外材の動向に大きく左右されがちなので将来どうなるか分かりませんね。(今回の話と関係無いですがこのような外材に振り回されるような国産材の環境はどうにかならないものかとずっと思っています。)
まとめです
- 森林ファンドとは、世界的な地球温暖化対策の機運から注目されるようになった新しい投資対象で、投資家から集めた資金で適切な森林管理を行い、そこででた利益を分配するしくみである。
- 丸太生産などの他に温室効果ガス排出削減・吸収に貢献することで認定される「カーボンクレジット」の売買でも利益を出すことが見込まれる。カーボンニュートラル、カーボンオフセットの考え方は世界的に広まっているため今後も続くと思われる。
- 森林を管理する上でのリスクというのは確実にあり、長期間の管理による災害、病虫獣害、価格変動等のリスクが考えられる。
というわけで森林ファンドについて勉強したことを書いてきましたが、個人的には森林ファンド、リスクもありますが世界的な環境問題への意識が高まっていることからもこれからどんどん伸びてくるんじゃないかなぁと思っております。
森林ファンドとは少し違いますが、米国では既に森林関係の企業に投資するファンドがあります。中身を見てみると、不動産、製材業、一般消費財など分散した投資が見られます。
個人的な意見としては、森林ファンドなんだから森林に!というわけでなく森林・林業に関わる幅広い部分に投資してリスクを抑えつつ業界全体を後押しするようなファンドが出てきたら超小口ですが投資したいなぁと思っています。
最近住友林業他10社の日本企業が森林ファンドに600億円規模の出資をしたというニュースを見ました。森林ファンドへの期待が高まっているんじゃないかと思わせてくれますね。今後も動向を追っていきたいと思います。いつか日本の山だけの森林ファンドも出てくるのでしょうか。まだちょっと時間がかかりそうですねwとはいえ今後も期待してます!
それでは
~参考Webサイト~
日本企業10社 住友林業グループ組成の森林ファンドへ共同出資
~600億円規模、脱炭素社会の実現に貢献~
https://sfc.jp/information/news/2023/2023-07-10.html
経済合理性と環境価値の両立を目指すNew Forests社の森林ファンド
https://www.mitsui.com/solution/contents/solutions/forest/12
J-クレジット制度及びカーボン・オフセットについて(環境省)
https://www.env.go.jp/earth/ondanka/mechanism/carbon_offset.html
今さら聞けない「パリ協定」~何が決まったのか?私たちは何をすべきか?~(資源エネルギー庁)
https://www.enecho.meti.go.jp/about/special/tokushu/ondankashoene/pariskyotei.html
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