こんにちは、souです。
前回は林業というお仕事(造林編)ということで造林の仕事について紹介しました。今回は木材生産編ということで山にある木を切って世に出していくお仕事についてお話していきたいと思います。チェーンソーで木を切るだけではない刺激的な「きこり」のお仕事をご紹介します。それでは行きましょう!(今回も針葉樹の人工林を想定してお話します。)
まず、木を切って出す事を「伐採(ばっさい)」といいますが、伐採には大きく分けて2つのやり方があります。まず1つは皆伐(かいばつ)と言って現場の範囲内にある立木を全て伐る方法です。切り終わった跡地には前回紹介した地拵、植付を行い、新しい森を育て始めます。2つ目は間伐(かんばつ)と言って切る木を選定し、残す木を育てる目的で間引くように伐採する方法があります。間伐には更にいろいろなやり方があるのですがそれはまた今度!笑
それでは作業に入りますと言いたいところですが、いきなり山に分け入って行くことはありません笑
まずはその時に入る山がどんな山なのかを歩いて確認します。この時にどんな地形なのか、どこが隣地との境界なのか、どんな木が生えているのか、危険な場所は無いか、などを確認して、次の作業道作りに繋げるイメージをしたり、全体的な現場の進め方を考えていきます。この時の段取りが現場進捗に大きく関わるのでかなり重要です!
現地踏査もおわり現地の様子を確認したところでようやく作業に入っていきます。まずは山に作業道と呼ばれる道を作っていきます。重機を使って支障となる木を切り根っこを抜き土を均し締め固めていく…文字で書くと簡単そうに感じますがこれ、めちゃくちゃ難しいです笑 まず土を平に均すのが難しいです。土の状態にもよりますが地耐力に不安がある場合は道作りで出た根っこや丸太を埋めて強度を補強します。しかも山なので少し傾斜をつけながらになるので難易度は更に上がります。このように安全で作業効率の良い作業道を入れるには高い技術が必要とされます。効率的な作業ができるような道を入れられるかそうでないかによって作業の進捗に大きな差が生まれます。
作業道ができたらいよいよ伐倒(ばっとう)作業の開始です。奥深く、面白く、そして危険です笑
伐倒する木を決めたら周囲と上部の状況と安全を常に確認して作業を行います。伐倒作業時の事故はとても多いので安全確保は必須です。
木は基本的に作業道から重機のアームが届くような方向に倒します。この後の木寄せ、造材作業のやりやすさに関わってきます。間伐の場合は一般的に30%程度、現況の3,4本に1本くらいの本数を切っていきます。切り進めていくと暗かった林内に日の光が入り徐々に明るくなっていきます。真っ暗な林内が終わった時には明るくなっているのはとても気持ちが良いです^^ 立木同士の距離を均等に空け、きれいな森にできるかは切る人の経験と技術の見せどころです。光が林床(地表)まで届くようになれば低い草木も生えてきます。これらの下層植生がいることによって雨が降った時などに林内の土砂が流出するのを防いでくれます。その結果土砂災害や水害を防ぐことになるので、適切な森林管理は私達の生活を守る上でも大切なことなのだとわかります。
次は伐倒された木を扱いやすい位置に移動させる「集材(しゅうざい)」を行った後、木の枝を落とし一定の長さごとに切って丸太にしていく「造材(ぞうざい)」作業を行っていきます。集材の際には動かした木で残した立木を傷つけないことが大切です。立木が傷つくとそこから病気になったり材の劣化に繋がるおそれがあるので注意が必要です。
続いて造材です。昔は木の枝をチェーンソーで落とす「枝払い」をしてからスケールで長さを測って丸太にしていましたがいまではこの作業のほとんどをプロセッサという機械で行うことができるようになりました。技術の進歩がすごいですね。とはいえ直径1mなどの極太の木や広葉樹など形が特殊な木はチェーンソーでの造材となるので造材の技術を習得することは必要です。造材する丸太の長さは2m、3m、3.65m、4mなどが主流です。たまに注文材という形で5,6mの材を出してくれ〜などの依頼が来たりします。
造材された丸太は山からフォワーダという機械で山の入り口付近にある土場という木材集積スペースに運ばれ、そこで山積みにされます。(この材を積むことを「椪積」(はいづみ)といいます)ここまでがざっとですが山から材を出すまでの一連の工程となります。ここから木材輸送用のトラックで原木市場や製材業者さんのところへ運ばれていきます。
- 現地踏査(状況確認、段取り)
- 作業道作り(安全で効率の良い道作り)
- 伐倒(機械で扱いやすい方向へ木を切り倒す)
- 集材(倒れた木を造材しやすい場所へ移動させる)
- 造材(一定の寸法に木を玉切って丸太を作る)
- 運材・椪積(トラックが入れる山の入り口まで出して積む)
ですね。改めて結構工程あるな〜と感じました笑
重機の扱い、チェーンソーの扱い、木の扱い、どれも一筋縄ではいかないところが個人的には面白くてやりがいがあると感じます。しかし、危険が多く一度の事故で命を落としかねないので、仕事中は常に緊張感を持って行う必要があります。
また今度林業で使う重機や機械についての紹介もしていきたいと思います。
それでは今回はここまでとします。ありがとうございました。全国の林業従事者さん、本日もご安全に!!
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